誓約書は「その場でサインしなくていい」
復職面談や雇用更新の場面で誓約書を突きつけられ、その場でサインを求められるケースがあります。結論から言うと、その場でサインする義務はありません。
「持ち帰って検討したい」と伝えることは労働者の正当な権利です。
それを拒否された場合、その事実自体が後の手続きで重要な証拠になります。
問題になりやすい誓約書の中身
誓約書の内容によっては、署名すること自体が不利な合意とみなされる場合があります。特に注意が必要なのは以下の内容です。
企業の報償責任を放棄させる条項
「業務中に生じた損害について会社に責任を問わない」という内容は、使用者責任(民法715条)を免除させようとするもので、違法性が問われえます。
包括的な服従条項
「会社の方針に従う」という曖昧な文言は、後から会社側に都合よく解釈される可能性があります。
障害者雇用における特殊性
障害者雇用で採用されている場合、合理的配慮を放棄させる内容の誓約書は障害者差別解消法の趣旨に反する可能性があります。
誓約書サインを求められたときの具体的な対応
焦らず、その場の雰囲気に流されないことが最重要です。
Step 1:内容を確認する時間を求める
「内容を確認した上で判断したい」と伝え、持ち帰りを求めましょう。場の雰囲気に流されないことが重要です。
Step 2:やりとりを記録する
面談は可能な限り録音します。「持ち帰りを拒否された」という事実も記録として残ります。
自分自身のことであれば録音は認められます。もし心配なら面談終わりに「録音しています」と言えばOKです。
→事後的に伝えることでトラブル回避になる場合があります
Step 3:専門家に相談してから判断する
弁護士・社労士・労働局などに内容を確認してから署名するかどうかを決めましょう。
理想としては、持ち帰りが認められた場合、専門家に相談することが推奨されます。
急な予約は難しいので、労働基準監督署がおすすめです(相談ベースのみでも大丈夫です)。
サインしないとどうなるか
誓約書にサインしなかった場合でも、それだけで直ちに解雇が有効になるわけではありません。
ただし、会社側は「復職条件を満たさない」として復職を認めないなどの対応を取ることがあります。
そのため重要なのは「サインするかどうか」ではなく、「どのような経緯で拒否したか」を記録として残すことです。
■サインしてはいけないケース
・会社の責任を放棄させる内容
・曖昧な服従義務
■慎重に判断すべきケース
・業務改善の一般的な確認書
・軽微な注意書き
誓約書対応のチェックリスト
- ✅ 誓約書の内容を全文読んで理解したか
- ✅ 持ち帰り検討を求め、その回答を記録したか
- ✅ 企業の報償責任を放棄させる条項が含まれていないか確認したか
- ✅ 「会社の方針に従う」などの曖昧な服従条項がないか確認したか
- ✅ 署名前に弁護士・労働局等に内容を確認したか
会社のいいなりになり、そのまま署名してしまう人は少なくありません。
空気に圧巻されず、自分自身で「署名していいのか」「契約書サインは拒否していいのか」といったことを考えることが大切です。
誓約書は「その場での判断」が一番危険です。
迷った場合は、まず状況を整理してください。
Written by LAWSTR代表
整理されていない状態では、適切な判断が難しくなることがあります。
※対応が遅れることで不利になるケースもあります
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