障害年金で不支給になった場合、本当に「症状が基準に達していなかった」のかどうかを、一度冷静に確認する必要があります。
厚労省の調査では、本来通るべき人が低く評価されて落とされていたケースが急増していることが公式に示されています。
不支給が急増している構造的な背景
厚労省の調査によると、令和6年度の精神障害の不支給割合は12.1%で、前年度の6.4%からほぼ倍増しています。
さらに、不支給になった精神障害の事案のうち75.3%が「本来の障害等級の目安より低く判定されたケース」でした。前年度の同割合は44.7%でしたから、一年で大きく跳ね上がっています。
この数字が示しているのは「審査が厳しくなった」のではなく、「評価のされ方にズレがあった問題が表面化した」という点です。
厚労省はこれを受けて、不支給事案の点検・担当認定医の無作為選定・全不支給事案への複数医師審査などの対応策を実施しています。
不支給になりやすい4つのパターン
障害年金は「病気の重さ」ではなく「一人で生活が成り立つかどうか」で判定されます。以下のパターンに当てはまる場合、書類の内容に問題がある可能性があります。
診断書が実態より軽く書かれている:医師が多忙で丁寧に書けなかった、または状態を軽めに判断したケース。書かれていないことは評価されません。
家族の支援が考慮されていない:家族が支援しているから表面上は生活できているだけで、一人なら成り立たない状態であれば2級の可能性があります。「援助の必要性」が十分に評価されていなかったことが、厚労省の点検でも問題視されています。
就労しているだけで「問題なし」と判断されている:障害者雇用で欠勤が多く、仕事以外は疲弊しているという実態が書類に反映されていないケース。
申立書と診断書の内容が一致していない:申立書に「○○ができない」と書いても、診断書に「概ね自立」と書かれていれば診断書が優先されます。
障害年金不支給時の行動
① 不服申立ては「記録を積み上げる工程」として捉える
審査請求・再審査請求で結果が覆る割合は高くはありません。ただし、行政裁判に進むにはこのプロセスを経ることが法律上必要です。「権利を勝ち取る場所」ではなく「次の段階の材料を作る工程」として取り組む姿勢が重要です。
② 診断書の内容を提出前に確認する
診断書を受け取ったら、7項目の採点が実態と合っているか確認してください。提出後の修正は極めて困難です。「単身で支援がない場合を想定した評価」になっているかどうかが確認のポイントです。
③ 医師に日常生活の実態を具体的に伝える
診察のたびにA4一枚のメモを持参して、困っていること・できないことを具体的に伝える習慣を作ることで、カルテに実態が積み上がり、診断書の質が変わります。
対応前のチェックリスト
- ✅ 不支給通知の「理由」欄を確認したか
- ✅ 診断書の7項目の採点が実態を反映しているか確認したか
- ✅ 申立書と診断書の内容に矛盾がないか照合したか
- ✅ 家族の支援があることで「自立している」と評価されていないか確認したか
- ✅ 不服申立て(審査請求)の期限(3ヶ月以内)を確認したか
【noteで詳細書いてます】
整理されていない状態では、適切な判断が難しくなることがあります。
※対応が遅れることで不利になるケースもあります
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