クレームを入れること自体は正当な権利です。ただし、手段・態様が社会通念を超えた瞬間に「カスタマーハラスメント」として法的対象になります。
2024年には実際に逮捕された事例が複数起きています。
身近に進んでいるカスハラ対策
コンビニや飲食店の名札が「スタッフ」表記やひらがな表記になっている、病院や役所にハラスメント対応方針の掲示が出ている、コールセンターで「録音しています」と強調される。これらはすべてカスタマーハラスメント対策の一環です。
「対応される側が守られる時代」に変わっていることを、まず認識しておく必要があります。
2024年に起きた逮捕事例
カスハラは「マナーの問題」ではなく、実際に逮捕に至るケースがあります。
熊本のタクシー事件(2024年):酔った男性が運賃を拒否し、警察官の目の前でタクシーを蹴って器物損壊で現行犯逮捕。
新潟の病院事件(2024年3月):退去命令書を交付されても無視して居座り続け、不退去罪で現行犯逮捕。
JR西日本グループの事例:お客様センターに短時間で何度も入電し「殺すぞ」などの暴言・無言入電を繰り返した顧客が殺人予告と暴言を理由として逮捕。
賃貸保証会社の事件(2024年6月):家賃支払いを促されて激昂した66歳男性が従業員の首元を掴み壁に押し付け、暴行罪で現行犯逮捕。
いずれも報道ベースの事例です。「ちょっとクレームが激しかった」では済まない時代になっています。
カスハラが刑事・民事問題になり得る主な罪名
脅迫罪・強要罪:「殺すぞ」「土下座しろ」などの言動。口頭でも成立します。
不退去罪:退去を求められても居座る行為。病院・役所・店舗が対象。
暴行罪・傷害罪:殴る・蹴る・物を投げる。怪我がなくても暴行罪は成立します。
威力業務妨害・偽計業務妨害:繰り返しの電話、長時間の拘束、SNSでの虚偽拡散など。
民事では対応した従業員の精神的ダメージを理由とした損害賠償請求に発展するケースもあります。
カスハラ扱いされないように
① 「内容」より「手段・態様」を意識する
厚生労働省の定義では、クレームがカスハラになるかどうかの判断基準は「要求の内容」ではなく「要求の手段・態様」です。
正しいことを言っていても、怒鳴る・繰り返す・威圧するという手段を使った時点でカスハラ認定されるリスクがあります。
② クレームを入れる前に事実と要求を整理する
「何が起きたのか」「何を求めるのか」を整理して冷静に伝えることで、ほとんどのトラブルは回避できます。感情のまま動いたクレームは、内容が正当でも記録として残ります。
③ SNSでの発言にも同じ基準が適用される
ネットでの言い過ぎ・やり過ぎも情報開示請求の対象になります。リアルと同じ基準で、手段・態様が問われます。
対応前のチェックリスト
- ✅ クレームの内容ではなく伝え方・手段が冷静かどうか確認した
- ✅ 繰り返しの連絡・長時間の拘束になっていないか確認した
- ✅ 「殺す」「訴える」などの威圧的な言葉を使っていないか確認した
- ✅ SNSへの投稿内容が事実ベースで感情的な誇張がないか確認した
- ✅ 退去を求められた場合に速やかに応じているか確認した
【noteで詳細書いてます】
整理されていない状態では、適切な判断が難しくなることがあります。
※対応が遅れることで不利になるケースもあります
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